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おでかけNote お出かけ便利帳

2018年04月02日(月)更新

夏の食事にご用心!危険な食中毒の予防と対策|PassMe!お出かけNote

石田朋子

看護師。看護学校を卒業後、医療機関に勤務。国際結婚を機にポーランドに移住。映画・音楽・本が大好きで、セルフパブリッシングと文芸サイトを運営しています。

●目次
【第1章】はじめに

第2章 食中毒について
【2-1】食中毒の定義
【2-2】食中毒の原因
【2-3】食中毒予防の三原則
【第3章】食中毒の症状
【3-1】主要な症状と手当てのポイント
【3-2】嘔吐した場合
【3-3】下痢をした場合
【第4章】ノロウイルスについて
【4-1】ノロウイルスの特徴
【4-2】嘔吐物・下痢便の処理
【第5章】食品の取り扱い
【5-1】3原則を実行する前に
【5-2】食中毒を予防する三原則
【第6章】おわりに
参考サイト


イラスト/ワダシノブ

【第1章】はじめに

夏といえば、プールに手作りのお弁当を持っていったり、海辺でバーベキューしたり・・『食』もお出かけの大きな楽しみの一つですね。 しかし、調理や保存の仕方を間違うと、食物に有害な細菌が付着したり、増殖したり、食中毒を引き起こします。 ここでは食中毒の原因、症状と応急手当、予防策について分かりやすく解説します。正しく対処すれば、未然に防げる病気ですので、ぜひご一読下さい。記事末尾には参考サイトも紹介しています。

 【第2章】食中毒について

【2-1】食中毒の定義

食中毒とは、『有毒な微生物(細菌やウイルス)』『化学物質(農薬や洗剤)』『自然毒(フグ、毒キノコなど)』『寄生虫(アニサキス、サナダムシなど』が含まれる食品や物質を摂取することにより生じる症状の総称です。主な症状に、嘔気・嘔吐、下痢、腹痛といった胃腸症状、頭痛、幻覚、知覚麻痺といった神経症状があげられます。軽度の発熱を伴うこともあります。食中毒といえば「夏に多い」というイメージがありますが、ノロウイルスのように冬期に多く発症するものもあり、そのリスクは一年中変わりません。  ただ、その他の感染症と異なり、食品の適切な保存や加熱、調理器具や手指の保清といった日常の注意で確実に予防することができます。その為にも、正しい知識を身に付けることが大切です。

【2-2】食中毒の原因

食中毒の原因は、有害な微生物や寄生虫、毒性のある動植物、有害な化学物質があげられますが、行楽や家庭で一番心配なのは『細菌やウイルスによる食中毒』ではないでしょうか。  ここでは食中毒の原因の9割を占める細菌とウイルスに集中して解説します。

■ 細菌性

細菌性食中毒には二通りあり、それぞれに予防のポイントが異なります。

1)感染型……細菌に感染した食品を摂取することで、体内で細菌が増殖し、毒性をもつ。代表的な細菌 病原性大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ、腸炎ビブリオなど  ※ 調理器具や調理場所の消毒、手洗いなど、食物へ細菌を付着させないことが重要

 2)毒素型……食品内で細菌が産生した毒素を摂取することで、食中毒になる 。代表的な細菌 黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌、セレウス菌など  ※ 調理による加熱殺菌、低温保存などにより、食物上での繁殖を防ぐことが重要

■ ウイルス性

ウイルスに汚染された飲食物の摂取や、手指・衣類・汚物などを介して、ウイルスに接触することで感染します。 代表的なウイルス ノロウイルス、ロタウイルスなど  ※ 加熱調理、消毒、ウイルスの付着したもの(汚物、手指など)に接触しない :参照URL『食中毒の種類』花王プロフェッショナル・サービス

【2-3】食中毒予防の三原則

食中毒を防ぐには、原因となる細菌やウイルスを体内に取り込まないことが非常に重要です。

1. 付けない

調理器具や容器などを清潔に保ち、食物に菌を付着させない

2. 増やさない

冷所保存、冷凍、乾燥により、細菌の増殖を抑制する

3. やっつける

加熱調理や消毒  多くの細菌は10度から60度で活動し、36度前後で最も活発に発育します。人肌ぐらいが細菌にとっても一番居心地がいいのです。また細菌が増殖するには「栄養(食物)」「水分」「温度」の三つの条件が不可欠です。どれかを絶てば、細菌の増殖を抑えることができます。家庭や行楽で一番実行しやすいのは温度対策でしょう。目安は次の通りです。

◯冷所保存・・10度以下に保つ

◯加熱殺菌・・ 75度で1分以上の加熱 (注)多くの食中毒菌は「75度1分の加熱」で死滅しますが、加熱しても死なないセレウス菌、ウェルシュ菌、ボツリヌス菌なども存在します。詳しくは下記URLをご参照下さい。

『家族の健康を脅かす 食中毒予防ガイド』東京都食品衛生協会リーフレット 

『加熱しても死なない食中毒菌 セレウス菌による食中毒』東京顕微鏡院 

一方、ウイルスは細菌と異なり、生きた細胞の中でしか増殖することができません。食品に付着しても、細菌のように、どんどん増えることはありませんが、ノロウイルスのように、食器や蛇口やドアノブなど物体の上でしぶとく生き続け、人間の体内に入った途端、暴れ出すものもありますので、細菌性食中毒とは異なった対策が必要になります。ノロウイルスの消毒や汚物の隔離については第4章で詳しく説明します。

【第3章】食中毒の症状

【3-1】主要な症状と手当てのポイント

十分に気を付けたにもかかわらず、食中毒を発症してしまった場合は、どのように対処すればいいのでしょうか。一般に、細菌&ウイルス性食中毒の主要な症状は、嘔吐・下痢・腹痛といった腹部症状です。人によっては発熱を伴うこともあります。ここでは、嘔吐・下痢(腹痛)について解説します。大事なポイントは「観察」「応急手当」「受診のタイミング」です。

【3-2】嘔吐した場合

1. 観察

身の回りの人が嘔吐した時、応急手当に並んで大事なのは、嘔吐物を『観察すること』です。これが適切な治療を迅速に行う最大のポイントです。 「うわっ、汚い!」とすぐに流さないで下さい。10秒でいいから集中して観察し、どんなものを、どれだけ吐いたか、確認して下さい。臭いは無理にかがなくていいですが、「酸味のある刺激臭か」「血液や便の臭いがしないか」は重要な情報になります。なお、ノロウイルスのように、嘔吐物にウイルスが大量に存在するケースもあります。万一、嘔吐物に接触してしまった場合は、第四章を参考に消毒して下さい。

2. 応急手当

周りの人が応急手当をする際、一番大事なのは「安全に、吐きたいだけ吐かせる」です。嘔吐が始まったら、頭を下向きにし、嘔吐物が気管や鼻腔に入り込まないよう注意して下さい。立位、座位、横臥位(身体を横向きにして寝る)、どれでも本人が楽なポジションで構いません。背中をさすったり、衣類を緩めたり、嘔吐と嘔吐の合間に口の中を軽くすすぐのは構いませんが、絶対に水を飲まないように注意して下さい。嘔吐直後に水を飲むと、余計に嘔吐を誘発したり、次に嘔吐した際、水が気管に入って、むせかえる危険性があります。

吐くだけ吐いて、本人が「少しすっきりした」と感じたら、座るなり、横になるなどして、身体を休めます。寝る時は、身体を横向けにし、膝を軽く屈曲して、エビのように軽く身体を丸めると、腹部の緊張が緩み、苦痛もやわらぎます。顔と身体を横に向ければ、嘔吐物が気管に入るのを防ぐこともできます。30分ほど様子を見て、頻回に繰り返すようでなければ、少しずつ水分を補給します。

特に子供と高齢者は脱水症状になりやすいので、飲めるだけ飲むようにして下さい。成分調整されたスポーツドリンクやミネラルウォーター、ノンカフェインの麦茶などが最適です。  完全に嘔吐が止まったら、食事も開始して構いませんが、粥やうどん、りんご、バナナなど、消化のいいものをおすすめします。詳しくは、こちらのサイトを参照して下さい。

『食事療法のすすめ方 胃腸の調子が悪い時の食事』東京都病院経営本部  

3. 受診のタイミング

気分も回復し、嘔吐も止まったら、一晩様子を見て、翌日もまた繰り返すようであれば医療機関を受診します。なお、集団で同様の症状が発生している場合は、当人が軽快しても、必ず医療機関や保健所の指示を仰いで下さい。嘔吐を繰り返し、胆汁や腸液など、水様性のものを吐くようであれば、医療機関を受診して下さい。激しい腹痛を伴い、顔面蒼白、冷汗、意識障害など、全身に異常が見られる場合は、ただちに救急車を呼び、病院に搬送します。
※なお、本当に救急車を呼ぶべきか迷った時は、一度「東京消防庁救急相談センター(#7119)」に詳しい状況を相談してみて下さい。子供の場合「こども救急電話相談(#8000)」も役立ちます。

なお、食後に突然嘔吐したからといって、必ずしも「食中毒」とは限りません。別の消化器疾患かもしれないし、脳や心臓、腎臓の病気などでも嘔気・嘔吐は生じます。  子供の場合、親の知らない間に異物を飲み込んでいたり、頭を強打している可能性もあります。

4. 観察と情報収集のポイント

嘔吐物の観察する時は、色、形状、量、に注意して下さい。

・直前に食べた物の残りかす

・茶褐色や緑色の液体が混ざっている

・血液が混ざっている(鮮血、もしくはコーヒー色のモロモロ)

・オエッと吐くのではなく、噴水みたいにビュービュー吐き出す

・玩具のピースや金属部品など異物が混じっている

なお、直前に赤色系の食物(スイカ、トマト、パプリカ、チリパウダーのような赤色香辛料)を摂取した場合は、嘔吐物が血液のように見える場合があります。血液との見分け方は、

・食物の残りかす=リンゴのすり下ろしみたいにモロモロして、他の物との境界がはっきりしている

・血液=暗赤色のどろりとした液状です。出血後、数十分から数時間が経過して、胃の中で茶褐色に変化した場合は、コーヒーの残りかすのように見えます。 受診する際は、嘔吐するまでの行動(いつ何を食べたか、どんな風に過ごしたか)、最初の嘔吐が起きた時刻、回数、嘔吐以外の症状(下痢、発熱、腹部や背中の痛みなど)など、詳しくお知らせ下さい。

【3-3】下痢をした場合

下痢をした時の「観察」「手当」「受診」のポイントは嘔吐と同じです。下痢の原因も、必ずしも食中毒とは限りませんので、以下の点に注意して下さい。

1. 観察のポイント

下痢便の観察する時は、色、形状、量、などを確認します。

・粥のようなドロドロ便

・水様便

・黄土色、茶褐色、白色、血液が混じっている、など

腹痛を伴う場合は、痛みの種類と場所に注意して下さい。

・みぞおち、左右の脇腹、腹部全体、背中にひびく

・軽い痛みがずっと持続している、定期的に鈍痛が襲ってくる

・一カ所がキリキリ刺したように痛い、腹部全体が痛い、触っただけで激痛が走る

・食後だけ痛む、痛くなったり消失したりを繰り返す

2. 応急手当

食中毒の下痢で一番注意しなければならないのは、脱水症状です。特に子供や高齢者は脱水しやすいので、嘔気・嘔吐がない場合は、お腹の調子を見ながら水分補給に努めて下さい。嘔吐を伴う場合は、嘔吐が止まって、30分ほど経ってから水分補給を開始します。嘔吐が激しく、水分も受け付けない場合、また下痢が頻回で、強い腹痛を伴う場合は、ただちに医療機関を受診して下さい。

徐々に下痢と腹痛もおさまり、自宅で様子を見る場合は、身体を横向きにし、軽く膝を曲げると、腹部の緊張が緩み、苦痛もやわらぎます。腹痛が強い場合は、抱き枕を抱いたり、足の間に枕を挟むと、 臓器の圧迫も軽減され、より安楽に感じます。翌日まで様子を見て、調子がよければ、食事のいい食事から再開して下さい。メニューに関しては、上記の『食事療法のすすめ方 胃腸の調子が悪い時の食事』を参考にして下さい。

翌日になっても、下痢を繰り返すようであれば、すみやかに医療機関を受診して下さい。なお、集団で同様の症状が発生している場合は、当人が軽快しても、必ず医療機関や保健所の指示を仰いで下さい。

【第4章】ノロウイルスについて

【4-1】ノロウイルスの特徴

集団食中毒の原因として有名なノロウイルスは、ウイルス自体の毒性も問題ですが、強力な感染力をもつことで知られています。発症者の嘔吐物や下痢便など、何も知らずに適当に処理すれば、関わった人が二次的な感染源になり、そこから感染が拡大する恐れがあります。  ノロウイルスによる食中毒が疑われる場合は、次の二点に注意して下さい。

【4-2】嘔吐物・下痢便の処理

ノロウイルスは、発症者の嘔吐物や下痢便にも大量に存在します。嘔吐物や下痢便が周囲に飛び散り、その飛沫(ノロウイルスを含んだ小さな水滴。1〜2メートル飛散する)を吸い込むことで感染する恐れもあります。介助者や清掃者が何も知らずに汚物を適当に処理し、手指などを十分に消毒しないまま職場に戻ったり、他の職員に接触することで、どんどん感染が広がる恐れがあります。食中毒の細菌と異なり、ノロウイルスは、ドアノブ、水道蛇口、パソコン、衣類といった物体の上でも生き続け、少量でも体内に取り込まれたら、中毒症状を起こします。床やトイレ、衣類などを洗浄する際は、『マスク・手袋の着用』『消毒』を徹底して下さい。

1. マスク・手袋の着用

丈夫なマスクと手袋を着用し、ノロウイルスから身を守ります。床や便器などに飛び散った嘔吐物・下痢便を処理するには、あらかじめ消毒液に浸したペーパータオルなどで覆い、ビニール袋を介して、タオルごと拭き取ります。その後、発症者や介助者らが直接触れた場所や物品などを消毒します。消毒液以外にも、スチームアイロンや布団乾燥機を使った消毒方法がります。

具体的な手順や塩素系漂白剤を使った消毒液の作り方は、下記サイトに詳しく紹介されているので、ぜひご参照下さい。

2. 汚れた衣類などの処理

嘔吐物や下痢便で汚染した衣類やタオルなどは、他の洗濯物と一緒にせず、マスクと手袋を着用した上で水洗いした後、家庭用塩素系漂白剤を使った消毒液(下記サイトを参照)で消毒し、改めて洗濯し直します。その際、水洗いした場所なども消毒が必要です。

『家庭の感染と予防 ノロウイルス感染症とは?』SARAYA家庭用製品情報

※ ノロウイルスの性質、中毒症状、汚物の処理方法など、イラスト入りで分かりやすく解説されています。

『家庭でできるノロウイルスの消毒法』東京都健康安全研究センター

※ 熱湯やスチームアイロン、布団乾燥機などを使った消毒法、消毒剤の作り方などが紹介されています。

3. 集団感染を防ぐために

公共の場所で嘔吐したり、下痢便をもらしてしまった場合、「施設の人に怒られる、ヤバイ!」と汚物を残したまま逃げないで下さい。万一、ノロウイルスに感染していた場合、施設の人が何も知らずに処理して、その手で業務に戻ったり、他の職員に接触すれば、どんどん広がっていきます。食中毒が疑われる場合は、ノロウイルスの危険性も説明し、施設の人にも、周囲の人にも、注意を促しましょう。非常に恥ずかしいかもしれませんが、大勢の健康にかかわることです。周囲が協力することによって、恐ろしい集団感染にも歯止めをかけることができます。 ここからは食品の取り扱いに詳しい手島さんに、正しい保存方法や食中毒予防の具体策をうかがいます。

【第5章】食品の取り扱い

日々の食事から食中毒を起こさないために行うことはとてもシンプル。なにはともあれ食中毒予防の3原則「つけない・増やさない・やっつける」を実践することです。具体的な対策をご紹介します。

【5-1】3原則を実行する前に

まず、新鮮な食材を使用することがとても大切。つけない・増やさない以前に、そもそもの食材に細菌がついていればリスクが高まるからです。 肉・魚は最低でも調理の前日までに購入したものを使うほうがいいでしょう。肉や魚にはさまざまな細菌がついていて、温度管理を間違えるとすぐに増殖し始めます。傷んでくるとニオイがしますが、ニオイがなくても細菌が増殖している状態も多く、食中毒の原因となります。魚や肉は新鮮なものを使いましょう。

加工品の場合、鮮度を判断する目安として「消費期限」「賞味期限」を参考にする方が多いと思いますが、食品の鮮度に関係するのは「消費期限」です。農林水産省のサイトによると「消費期限」は「期限を過ぎたら食べないほうが良いんです!」と書かれています。

袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「安全に食べられる期限」のこと。お弁当、サンドイッチ、生めん、ケーキなど、いたみやすい食品に表示されています。その食品によってもちがいますが、だいたい、5日以内です。表示をよく確認して、この期限を過ぎたら食べないようにしてください。 (農水省サイトより引用)

これに対して「賞味期限」は「おいしく食べることができる期限」のこと。つまり、「消費期限を過ぎた食品」は食べるとおなかを壊したりする可能性がある食品、「賞味期限を過ぎた食品」は製造当時よりも味が落ちている食品ということです。 消費期限は豆腐や牛乳などの傷みやすい生鮮品に表示されています。消費期限切れの食品はとくに乳幼児やお年寄りは食べないほうがいいでしょう。

【5-2】食中毒を予防する三原則

原則1 つけない工夫

細菌は日常的にわたしたちのまわりに存在しています。基本的に細菌は「そこにいる」という前提で考えることが大切です。「つけない工夫」は、食材につけないために何をすればいいか、です。

洗う

きれいに見える野菜、水耕栽培の野菜でも細菌はついていますからよく洗いましょう。魚や貝も流水で表面についている汚れとともに細菌を落とします。

調理器具を熱湯消毒する

まな板や包丁にはその前に切ったものの細菌が付着しています。とくに肉・魚を切ったまな板にはそれらの食材に付着していた細菌がそのまま残っていて、次に切ったものを汚染する二次汚染のリスクがあります。肉や魚を切ったあとは熱湯消毒がおすすめです。

まな板を分ける

魚と肉を切るまな板と、その他の食材を切るまな板は分けたほうがいいでしょう。肉や魚を切ったあとの熱湯消毒がいちいちめんどう、という方にはとくにおすすめです。

手を洗う

調理の前には必ず手を洗いましょう。肉や魚を触った場合も二次汚染を避けるため手を洗う必要があります。

ふきん、台所用スポンジも消毒を

忘れがちなこれらのアイテムも定期的に熱湯消毒などで二次汚染を防ぎます。台所用のタオルなども手からの移染がありますからこまめに洗濯しましょう。

原則2 増やさない

どんなに注意しても細菌は付着するものです。それを増やさないことで食中毒のリスクは大きく下がります。「増やさない工夫」は細菌が増殖する条件「温度の管理」を行います。

新鮮な食材を使う

購入時には新鮮であった食材でも、家庭の冷蔵庫で保存されている間に劣化し、細菌が増殖することがあります。魚はとくに鮮度のいいものを使いましょう。肉の場合は、空気に触れる面積が多いほど日持ちが悪くなります。ひき肉→スライス肉→ブロック肉、という順番で劣化の速度が遅くなります。
肉の場合、細菌が付着しているのは表面ですが、ひき肉は細かくミンチされているため、内部にまで細菌が入り込んでいる場合がありますからとくに鮮度には注意しましょう。

調理後の保存は冷蔵庫で

例えば煮物を常温で保存していると、適度な水分、栄養源、温度という細菌が増殖する条件の3つを満たしてしまうことになり食中毒リスクが高くなります。調理後の食品は冷蔵保存し低温管理することが必須です。しかし冷蔵庫の過信も禁物です。長期保管する場合は冷凍庫で。冷蔵保存の場合は一両日中に食べきることです。

原則3 やっつける

肉や魚は加熱調理をすれば、表面や内部にいる細菌を死滅させることができます。

加熱調理の基本

細菌やウイルスによって死滅させられる条件は様々ですが、基本的には75度で1分以上の加熱をすれば安心だと言えます。しかしこの温度は食品の表面ではなく内部の温度ですから、例えばノロウイルスに汚染された牡蠣の場合。表面のみ加熱しても内部がまだ半生だったということはよくあります。この場合、ノロウイルスは死滅していませんから、食中毒リスクが高くなります。ひき肉や牡蠣など、内部に細菌・ウイルスがいるリスクが高いものについては、きちんと内部まで火を通すことが必要です。

食べる前には再加熱

前日の残り物の煮物を冷蔵庫から出してそのまま食べるのではなく、食べる前に再加熱することも必要です。保存中に細菌が増殖している可能性を排除するためです。冷蔵庫の温度は12度程度ですが、過信は禁物。めんどうでも、温め直して食べましょう。 食中毒予防のコツは意外とシンプル。新鮮な食材を使う、肉や魚をさわるたびに手を洗う、まな板を消毒する、ふきんをこまめに選択する、食べられる量だけ調理する、残り物は冷蔵庫にすぐ保存する、など、調理時の習慣にしてしまえば、何か特別なことをする必要はありません。日々の小さな積み重ねがリスクを低減させるのです。

【第6章】おわりに

食中毒というのは、頭でわかっていても、人によっては食物の異常に気付かないこともあります。味や臭いが「おかしい」と感じても、「これはこういう味なんだろう」と食べてしまうケースもあります。 私も子供の頃、朝食にちらし寿司の残りを食べて、学校で大変な目に遭いました。寿司飯の酸味に気付いていたのですが、「お父さんもお母さんも忙しそう」「せっかく作ってもらったのだから、しっかり食べなきゃ」と子供なりに遠慮してしまうのです。

逆に、私自身が調理の不手際に気付かず、半生のカツレツを息子に食べさせてしまったことがあります。息子も「いつもと違う」と感じたそうですが、「お母さんの作ったものなら大丈夫だろう」と信じて、夜中に嘔吐しました(T^T) 子供って、親に「食べなさい」と言われたら、無理してでも食べますし、やはり親を信じてるんですよね。そういうことも念頭におく必要があると思います。

ちなみに、ポーランドには、ライ麦を温所で発酵させて作る「ジューレック」というスープがあるのですが、私はいまだに自然な発酵臭と腐敗臭の違いが分かりません。何となくOKかなと思っても、やはり怖いので、今でも市販のスープ素に頼っています。こういうことは、周りの大人が手作りして、「いい感じに発酵したわ。あんたも嗅いでごらん」という積み重ねがあって、初めて身につくものだと思います。手作りのキムチや漬物などもそうです。

そういう意味でも日々の食生活は大切ですし、子供が台所や買い物を手伝うのは、行儀や自立が全てではなく、病気から身を守る為でもあります。最後に異常を判別するのは、自分の目と鼻と舌だからです。  冷蔵庫のものを整理する時、ポイと捨てる前に、「こんな風に変色したら、絶対に食べたら駄目だよ」と子供に教えてあげるのも予防策の一つだと思います。

 参考サイト

『食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント』政府広報オンライン

 食中毒の原因、予防、食品管理のコツなど分かりやすく紹介(1ページ)。

『つけない!増やさない!やっつける!家族と自分を食中毒から守る予防法』(動画・約9分) 政府インターネットテレビ 

※ 調理のコツや手洗い、保存法について分かりやすく解説。

【ノロウイルスにご用心】(2015/7/2放送 ニュースプラス1いわて)(動画・約5分) 

※ ノロウイルスの特徴や感染予防について

『食中毒予防パンフレット・リーフレット』(PDF) 東京都福祉保健局 

※ 「食肉」「災害時」「家庭園芸」「寄生虫」「魚」「キノコ」などテーマごとにPDFを配布。

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